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公募対象となる技術領域

IIJイノベーションインスティテュート公募においてその対象となる技術領域は、「次世代のインターネットの実現に必要な全ての基盤技術」です。それでは「次世代インターネット」とはどのような世界なのでしょうか。

次世代インターネットでは

来たるべき次世代のインターネットのイメージは次のようなものです。

  • ネットワークへの接続形態や複雑なリソースの扱いなどを意識することなく、ユーザは必要な情報の取得・交換・処理を行うことができる。
  • ユーザ同士はダイナミックにコミュニティを形成することができ、コミュニティ固有の情報を自由に扱えるようになる。
  • ユーザやコミュニティ固有の情報は適切なセキュリティレベルを持って、外部から隔離・隠蔽された形で、安全に安心して扱うことができる。
  • ユーザやコミュニティが扱う情報の処理・流通に必要なあらゆるリソースは、オンデマンドに割り当てられ、ユーザはその存在をほとんど意識することなく利用できる。

これらを現実のものとするためには、今までにない新しい技術を開発し、普及させていくといった取り組みが必要になります。

次世代インターネットに至る過程

次世代インターネットに至る過程を「ユーザ(人・企業)」「情報」「コンピューティングリソース」の3つの要素に着目しつつ、サービスの変遷を軸に整理すると、下記のような段階を経て発展してきていることが分かります。

1.0: 「ユーザ」「情報」「コンピューティングリソース」のそれぞれをインターネットに接続する段階
2.0: 「ユーザとユーザ」「情報と情報」「コンピューティングリソース同士」を接続することで新しい価値・サービスを生み出す段階

1.0の段階では、ISPの存在が「ユーザ」をインターネットに接続し、webが「情報」を手軽にインターネットで扱えるものにしました。またデータセンターサービスやホスティングサービスなどの登場により、CPU、ストレージなどの「コンピューティングリソース」をインターネット経由で利用できるようになりました。

そして現在は2.0の段階だと考えられます。この段階では、SNSなどのサービスが「ユーザとユーザ」のより密接なコミュニケーションを可能にし、web2.0に見られるコンテンツマッシュアップ技術が「情報と情報」を動的に結びつけることで新たな情報価値を生み出しました。そしてP2PやGRIDは、「コンピューティングリソース同士」を相互に結びつけることで、単一システムでは実現しえない新たなコンピューティング環境を提供しています。

これらの流れから次世代インターネットへ向かう次の段階は、

3.0: 「ユーザと情報」「情報とコンピューティングリソース」「コンピューティングリソースとユーザ」というカテゴリー間の関連・相互関係を強固にすることで新しいインターネットサービス基盤・環境を生み出す段階

だと考えられます。これが今後のインターネットにおける関心の対象となり、技術開発のターゲットとなるでしょう。


サービスのこれまでの発展と今後の進化
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次のステージへ

来たるべき次の段階では、「ユーザ」「情報」「コンピューティングリソース」の3つのカテゴリー間の関連・相互関係に着目すべきであろうことは既に述べました。ここではもう少しそれらをブレイクダウンして考えてみましょう。

  • 「ユーザと情報」の関連=情報のパーソナリゼーション

    「ユーザ」が置かれている状況やTPOなどによって、必要とする「情報」をプロアクティブに入手できるようになっていることが考えられます。

  • 「情報とコンピューティングリソース」の関連=情報流通と管理

    「情報」をインターネット上の「コンピューティングリソース」にどのように配置していくのか、あるいは既に配置されている「情報」の所在をどのように管理し流通させていくのか、効率的な運用管理手法も求められます。

  • 「コンピューティングリソースとユーザ」の関連=簡単で安全なリソースの利用

    「ユーザ」にとって、「コンピューティングリソース」は今よりも簡単に安全に扱えるようになっている必要があります。「ユーザ」がインターネット上で必要とされる「コンピューティングリソース」をどのように割り当て管理していくか、それらを「ユーザ」が安全に利用できるようにするためには何が必要なのか、といった技術的課題があると考えられます。

次世代インターネットのアーキテクチャ

インターネットの発展性とオープン性を維持しながら、複雑に連携しあう技術要素をプラットフォームとしてまとめていくのが次世代インターネットのアーキテクチャのイメージとなります。


次世代インターネットのアーキテクチャ
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ここで必要となる主要な技術要素としては以下のようなものが考えられます。

  • ユーザ情報管理技術

    ユーザ自身の認証、TPO(いつ・どこで・なにを)の認識、プロフィールやコミュニティメンバーシップの管理などを安全に行えるようにする技術などが考えられます。

  • 情報流通・管理技術

    情報の構造化や検索、フィルタリング、抽出など情報そのもののハンドリングに関わる技術のほかに、情報を分散ネットワーク上に適切に配置・格納し、ユーザがこれらの情報に適切にアクセスするための技術などが考えられます。

  • リソース仮想化技術

    CPU、メモリ、ストレージなどのコンピューティングリソース、回線や帯域などのネットワークリソースをシンプルに動的に扱うための仮想化技術などが考えられます。

  • ネットワークオーバーレイ技術

    P2Pや動的VPNなどに代表されるような、動的にコミュニティを形成したり、コンピューティングリソースを適切に分散配置・管理するために必要な技術が考えられます。

  • ユビキタスネットワーク技術

    無線や携帯電話などに関わるもので、位置情報取得やローミング、ネットワークを自由に移動するユーザに対する情報提供など様々な技術が考えられます。

  • ネットワーク管理技術

    様々な技術コンポーネントの状態確認や計測、構成管理や自動設定に関わる技術などが考えられます。

それぞれの技術において、不足している要素や解決しなくてはならない課題などが存在しており、新しいインターネット技術の発展のためには、これらの課題の解決や新たな技術の開発などをしっかりと行っていく必要があります。

本公募で求められる技術アイデア

本公募の主要な目的は、「次世代インターネットの新しい技術基盤の創出に寄与しうる技術アイデアを広く募る」ことにあります。インターネットは、様々な分野の様々な技術が相互に結合されることにより構成されるものであり、特定分野や特定レイヤの技術開発だけで次世代インターネットを実現することはできません。

したがって本公募においても、特定レイヤの限定された技術アイデアを求めているわけではなく、「次世代インターネットの技術基盤の創出に寄与しうる」技術アイデアを求めていることをご理解ください。

”次世代インターネットのアーキテクチャ” で示されている技術は、次世代インターネットの技術基盤を実現するための一つのイメージであり、異なる視点によるアーキテクチャの考え方があるかもしれません。

応募者には、ご自身の次世代インターネットに対するイメージと、それを実現するために必要な技術的課題がどのようなものであるかを、応募される技術アイデアの中で表現されることを希望いたします。

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