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震災とインターネット データから見る東日本大震災の影響 (1)

2011年3月11日に発生した東日本大震災によって、通信インフラも回線の切断や設備と機器の損壊など、大きな被害を受けました。その一方で、国内インターネット全体への影響は限定的で、地震の直後には、固定電話も携帯電話も繋がり難くなったため、インターネットが情報交換に大きな役割を果たしました。ここでは、震災のインターネットへの影響を、IIJのトラフィックと経路情報のデータを基に検証します。

IIJのバックボーンへの影響

IIJの東北拠点は仙台データセンターです。仙台データセンターの設備には被害はありませんでしたが、地震によって停電し、自家発電に切り替わりました。また、東京と仙台を結ぶバックボーン回線は、冗長構成を取っていましたが、地震直後に両方とも切断され、東北6県への接続が失われました。このうち1本は地震翌日の土曜早朝には復旧し、もう1本も日曜の夜に復旧しました。

さらに国際回線に関しては、本震直後には問題がなかったものの、数時間後から影響が出始め、8本のUS回線のうち3本が切断されました。これは海底地滑りによるものだと言われています。このうち2本は土曜の夜に、あと1本は日曜に復旧します。 US回線では冗長構成によるフェイルオーバーがうまく機能したため、ユーザへの影響はありませんでした。

ブロードバンドトラフィック

図1: 3月のブロードバンドトラフィック
宮城県(上)と全国(下)

図1は、IIJの運用する宮城県と全国の3月の1ヶ月間のブロードバンドトラフィックです。宮城県は、11日の地震でバックボーンが切断され接続が失われましたが、12日の早朝には接続が復旧します。この時点では、県内のほとんどの地域が停電中で、トラフィックもほどんどありませんでした。 その後、電気と回線の復旧に伴い、序々にトラフィックが戻ってきます。

全国レベルでブロードバンドトラフィックを見ると、地震の発生直後はトラフィックが20%ぐらい減っています。 夜になって少し戻りますが、この日は、停電に加えて、首都圏では多くの人が帰宅難民となり、トラフィックも影響を受けました。 しかし、翌日の土曜日にはその前の土曜日の85%ぐらいまでトラフィックが戻っています。

その後、1週間程は計画停電の影響もあり、数%減となりますが、その後はほぼ元のトラフィック量に戻っています。 全国レベルでみれば、震災の影響が限定的であったことが分かります。

USトラフィック

IIJは3月の時点で8本のUS回線を運用していましたが、そのうち3本が地震で切断されました。

震災時に冗長構成によってトラフィックが迂回されたようすを示すため、図2に3本のUS回線のトラフィックを示します。

図2: US回線のトラフィック
切断された回線(上)
被害のなかった回線(中)
迂回路を使って復旧した回線(下)

上図の回線は11日の夜に切断されました。そのトラフィックは自動的に他の回線に迂回されましたが、その結果、中図の回線は翌日のピークトラフィック量が3倍に跳ね上がり回線に余裕がない状態になりました。しかし、その日の夜には別の海底ケーブルを使って回線が復旧したため、各回線のトラフィック量は通常レベルに戻ります。

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