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震災とインターネット データから見る東日本大震災の影響 (2)

2011年3月11日に発生した東日本大震災によって、通信インフラも回線の切断や設備と機器の損壊など、大きな被害を受けました。その一方で、国内インターネット全体への影響は限定的で、地震の直後には、固定電話も携帯電話も繋がり難くなったため、インターネットが情報交換に大きな役割を果たしました。ここでは、震災のインターネットへの影響を、IIJのトラフィックと経路情報のデータを基に検証します。

OSPF

回線の切断や復旧の状況は、IIJ内部の経路情報から検証することができます。

図3は、IIJバックボーンのOSPFイベントから経路(プリフィックス)の広告と削除を1時間毎に集計したものです。11日の本震の直後に東北への回線が切断され、99経路が失われます。翌日の早朝に仙台回線が復旧して、105経路が広告されているのが確認できます。

図3: OSPFの経路イベント

BGP

IJ内部の経路情報からは、回線の切断や復旧の状況を知ることができましたが、これらの障害は外部からはほとんど見えませんでした。

検証には、IIJがピアリングしている某隣接ISPの協力を頂き、iBGPのデータを提供してもらい、IIJの広告する経路の変化を調べました。

図4: BGPで隣接ISPが観測したIIJの経路削除イベント

図4は、IIJが広告していた経路を削除したイベント数を示しています。BGPによる経路交換では、経路の広告や削除は定常的に発生しています。そのため、地震による回線障害によって削除された経路イベントは、定常的な経路イベントに埋もれて分からないぐらいです。

つまり、地震によるIIJ内部の回線障害に関しては、仙台への接続を除いて冗長構成がうまく機能したこともあって、外部からはほとんど見えなかったと言うことができます。

まとめ

日本大震災の影響に関しては、さまざまな検証が行われています。

今回の教訓をいかにして、将来に生かして行くかが大きな課題です。

ここでは、震災のインターネットへの影響を、IIJのトラフィックと経路情報のデータを基に検証しました。これらを今後のバックボーン設計に役立てたいと考えています。

参考文献

Kenjiro Cho, Cristel Pelsser, Randy Bush, Youngjoon Won.
The Japan Earthquake: the impact on traffic and routing observed by a local ISP.
To appear in Special Workshop on the Internet and Disasters at ACM CoNEXT 2011. Tokyo, Japan. December 2011.

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